君の知らない空
♯1 再会の朝
◇ ついてない私
私はついてない。
ずっと昔からだ。
幼い時のこと。
私は夕食の準備を手伝っていた。
何でもやりたがる私に、母が与えたのはお茶汲み。零さないようにと念じながら注いでいたら身を乗り出し過ぎて、肘がグラスに当たって零した。夏だったから冷たい麦茶でよかったんだけど。
ケーキを買ってもらった時、ケーキの入った紙袋を持たせてもらった。母は危なっかしいからダメだと言うのに、半ば強引に。
コケちゃダメ。
揺らしちゃダメ。
念じながら慎重に持ってたのに……こんな時に限ってやっぱりコケた。
滅多に行かないのに、たまたま目に付いて行きたい衝動に駆られた展覧会。意気揚々と前売り券を買いに行ったら売り切れてた。
思い出せないけど、他にもいろいろとあったなぁ……