君の知らない空


「もしかして、彼氏?」


「そうかも……彼氏いないって言ってたけど、やっぱりいたんだ」


美香と彼氏はロータリー沿いにゆっくりと歩いていく。


その先には数人の若い男性。
身なりは様々だが、彼らは厳めしい雰囲気を作り出している。一目で危なそうな、関わりたくないと思わせる雰囲気。


しかし美香の彼氏は避けようともせず、臆することもなく彼らのいる方へと近づいていく。


私と優美は息を凝らして見つめていた。
何も起こらなければいいと祈りながら。


すると厳めしい彼らは、
道を開けるように彼氏を避けた。


とりあえず何事もなかったことにほっとしたが、彼らの様子がおかしい。


彼らが美香の彼氏に対して、
少しばかり頭を下げたようにも見える。


「彼氏の仲間? 友達?」


優美がぽつりと言った。
私と同じ疑問を抱いたらしい。


いや、誰が見てもそう思うだろう。





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