君の知らない空
スポーツジムから出てくるかもしれない彼を待ってみよう。あの自転車の持ち主が彼ではないかもしれないけど。
私は再びショッピングモールの中へと戻り、スポーツジムの駐輪場を望むことの出来るファーストフード店に入った。
窓際のカウンター席に座って、時間を潰せるようにと買ってきた本を広げて準備万端だ。
さっきコーヒーを飲んだのに、
またコーヒーを飲んでる。
正直なところ、お腹がちゃぷついてる。
何の予定も無い休日。
暇を持て余している私の行動は、完全に怪しい人かもしれない。
本を広げて、窓の向こうに見える自転車を気にしている。本の内容なんて、全然頭に残るはずない。
何の変化もなく一時間を過ぎた頃、
退屈な私は大あくびをした。
すると目の前から誰かが駆け寄ってくる
。私に向かって手を振りながら。
それは、知花さんだった。