君の知らない空
昼休みにゆっくりと事情を話すと、優美は満面の笑みを見せてくれた。
「頑張れっ! 応援してるよ」
「ありがと、とりあえず進んでみようかな……って思う。どうなるか分からないけどね」
不安がない訳じゃない。
私は彼の事を何も知らない。
年齢も、住んでるとこも、職業も、
彼女が居るのかさえ。
「どうなるかなんて誰にも分かる訳ないよ、最初は全然知らない人から始まるから面白いんじゃない?」
「そうだよね……でもさ、学生の頃と違って、いろいろと考えたり構えたり、すごく勇気が要るよね」
と言うと優美は、私の肩を叩いた。
「何言ってんのよ、まだまだ若いって」
「うん」
そうだ、私は若いんだ。
自分に言い聞かせた。