君の知らない空
マシンへと移動しながらドアの方を振り返ると、僅かに受付が見える。
受付けの順番を待つ数人の男性の姿。
皆、仕事帰りに寄ってるのかな。
これから始めるんだろうな……
と思いつつ、
インストラクターの女性の後について行こうとして、私は足を止めた。
もう一度、受付へと目を向ける。
なんてことだ……
受付に並んだ3人の、真ん中にいる若い男性。
その男性こそ、彼だった。
まさか、こんなに早く会えるなんて。
もしかすると、
彼と縁があるということか?
などと考えていると、
「高山さん? どうしました?」
インストラクターの女性が呼びかける。
「いえ、すみません、何でもないです」
いけない。
まずは、ここに慣れなくては。