お握りに愛を込めて
「そっ。マネージャーがいないと、キャプテンがその分、頑張らなきゃね」


あっ……この人、キャプテンだったんだ。


なんか、こんなキャプテンいいかも。

人に押しつけないで、誰もやりたがらないことを、こうやって、自分からやる人。

自分が頑張る姿、きっと周りも見ている。


こんなキャプテンの姿を見て、部員たちも頑張ろうって思う。


こんなキャプテンだから、信頼されてる。


そんな気がするんだ。


「って、何してるんですかっ」

「え?何って、お米洗うんだけど?」

「あ〜っ!駄目、駄目、駄目〜っ!洗剤でお米なんて洗っちゃ駄目ですっ!」

「もう、菜子ちゃん、うるさい」


って、おいっ。
先輩が洗剤入れそうになったからでしょうがっ。


「はぁ〜。もう、貸してください。私がやります」

「本当〜?ありがと」


にっこり笑う、その笑顔、爽やかですっ!

もう、何もしないでください。こうやって笑ってくれるだけで充分ですから。

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