お握りに愛を込めて
やりたいこと
「ただいま〜」
「お帰り〜。遅かったね」
家に帰り、リビングへ行くと、桜姉ちゃんがソファーに座ってテレビを見ていた。
「お腹空いた」
顔を見るなり、さりげなく催促ですか?
姉ちゃんよ、そう思うなら自分で作ろうよ。
「はいはい。今するから……って、何これっ!」
台所、ぐちゃぐちゃなんですけど!
何、このジャガイモ。皮剥きすぎで、食べるとこ少なっ。
人参、細っ!鉛筆みたいになってるしっ。
「ん?菜子遅いから、頑張ってカレーでも作ろうと思ったんだけどね〜。
ジャガイモなくなっちゃうし……人参、どこまで皮剥いていいか分かんなくなっちゃうし……」
うん……
何もせずにおとなしく座っていてください。
「はぁ……今から、ささっと作るから待ってて」
制服着替えたかったけど仕方ない。パパッと何か作っちゃおう。