お握りに愛を込めて
「ごめんね、手伝えなくて」
そう言って彼女が戻ってきた時には、簡単に作ったオムライスが丁度出来上がったばかりで、美味しそうに熱々の湯気を出してお皿に盛られていた。
「いただきま〜す!」
二人で一緒に晩ご飯を食べ始める。
「あっ、そうそう。さっき、光太郎から電話があったの」
思い出したかのように桜姉ちゃんが話し出す。
「光太郎さん?」
またデートのお誘いとか?お弁当作ってとか?
「ねぇ、菜子」
「ん?」
「今、やりたい事あるんじゃないの?」
やりたい事?
台所の後片付けとか、部屋の掃除とか?
あっ、晴れたら、青空の下おもいっきり布団を干したい。
あと、スーパーで牛乳買ってこなきゃ、明日のお風呂上がりの牛乳が切れそうだし。