お握りに愛を込めて


「だって〜、菜子、家庭的でしょ?ほらっ、掃除に洗濯、料理と家事全般何でも出来るしさ」

「いや、それほどでも」


そりゃあ、毎日家のことやってたら、人並みに全部出来るようになるって。



母親が病弱で、よく入退院を繰り返していたため、小さい頃から、何でも出来るように鍛えられた。


二つ歳上の桜姉ちゃんがいるけれど、彼女は、覚える気さえなく、松本家の家事は、全て私に託されたといっても過言ではない。


全てを私に伝授した母は、安心したように、四年前、静かに息を引き取った。



それからというもの、松本家の小さな主婦として頑張ってるだけで、何も家庭的ではない。


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