お握りに愛を込めて
負傷
そんなある日の放課後の練習
ベンチの傍にあるバケツ一杯のボールをホームベースにいる監督の元へ運んでいる時、
「危ないっ!」
大声が聞こえ、何かよく分からなくて声がした方に顔を向けた瞬間、
“バコンッ!”
私の右ふくらはぎに、白球が命中した。
「いっ……!」
痛さの余り声が出なくて、骨の髄まで痛みが走ったようで、その場にうずくまってしまった。
何?
何が起こった?
「菜子ちゃんっ!」
“マネージャー!”って声が聞こえる中、真っ先に駆け寄ってきたのは、愁先輩。