お握りに愛を込めて
負傷

そんなある日の放課後の練習

ベンチの傍にあるバケツ一杯のボールをホームベースにいる監督の元へ運んでいる時、



「危ないっ!」


大声が聞こえ、何かよく分からなくて声がした方に顔を向けた瞬間、


“バコンッ!”


私の右ふくらはぎに、白球が命中した。


「いっ……!」

痛さの余り声が出なくて、骨の髄まで痛みが走ったようで、その場にうずくまってしまった。

何?

何が起こった?


「菜子ちゃんっ!」

“マネージャー!”って声が聞こえる中、真っ先に駆け寄ってきたのは、愁先輩。

< 54 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop