お握りに愛を込めて

「骨、折れてない?」

「大丈夫ですよ」

大袈裟なんだから。

でも…と、心配そうな顔をする先輩に、ほらっと軽く歩いて見せた。

本当、心配性なんだから。


「ごめんさい。あんなところ歩いていたから」

もっと注意して歩くべきだったんだよ。周り見えてなかった私が悪いよね。

「菜子ちゃんは、悪くないって。投げた奴が確認せずに投げたから悪い。
ちゃんと始末書書かせておくから」


始末書?
いやいや、書かせなくていいでしょ。


きっとね、私が愁先輩のことを好きになってしまったから、だから

「罰が当たったんです」

「え?」


本当だったら、傍にいちゃいけないのに、ずっと傍にいようとしたから。

特別な感情持っている人はマネージャー辞めなきゃいけないのに……

それをしようとしなかったから。

だから、罰が当たったの。

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