お握りに愛を込めて

もう、これ以上マネージャーを続けちゃいけないの。
愁先輩の傍にいちゃいけないの。


そう思ったら、何故か涙がポロポロ溢れてくる。


「な、菜子ちゃん?」

「ごめんなさい」

「どうしたの?やっぱり痛む?あっ、それとも頭も打って気分悪くなった?」

ポロポロ涙を流す私を見てあたふたしながら、何故か頭に冷えぴたを貼ってくれる愁先輩。


この冷えぴたは、何ですか?

「熱ある?」

冷えぴたの上から手の平を当てても分かりませんよ、先輩。

「いや、ないです」

「でも、泣いてるから…」

いやいや、泣いたら熱があるなんて誰の教えですか?


「熱はないです。泣いてもないです。大丈夫です」

「菜子ちゃん……」


先輩の意味不明な行動にすっかり涙も引っ込んだし。
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