お握りに愛を込めて
だからって、マネージャーにむいてるなんて……
「部活は無理!夕方の丸徳スーパーのタイムバーゲンに間に合わなくなるもんっ」
そう。
夕方は、タイムバーゲンで家計を引き締めなきゃ。
部活なんてやってる暇なんてないんだから。
「何、それ〜」
そう言って、さとみは笑うけれど、笑い事じゃないし。新鮮生魚200円引きとかになるんだよっ。
あっ、今日のタイムバーゲンの品物は、何だったかな?
ごそごそと、鞄から今朝朝刊に挟まっていた広告を取り出した。
「主婦〜」
さとみが苦笑いと共に、そう言った時だった。
「お〜い。松本〜!客っ」
誰かが廊下の方から私を呼ぶ声が聞こえ、広告から顔を上げ、廊下を見ると
見たこともない、丸坊主頭の男子生徒が、爽やかな笑みで、こちらを見ていた。