お握りに愛を込めて
「マネージャー頼みに行って、一目惚れしたのは俺の方。菜子ちゃんが好きだ。これからも、俺の傍で見守っていてほしい」
「愁先輩」
「ん?」
「私も、愁先輩に惚れましたっ」
「知ってる」
そう言いながら、もう一度強く抱きしめられた。
もうすぐ、夏の高校野球が始まる。
【1日4.5合!目指せ、甲子園!特製お握りと共に】
部室に掲げられている合言葉を背に、今日も、私は、この手に愛情いっぱい込めて、お握りを握る。
甲子園を目指す野球部みんなのために。
そして、大好きな笑顔を見るために。
【完】