初恋は不思議な国で
「ほら」
それを不器用にマリーに差し出す。
マリーは桃色の瞳をらんらんと輝かせて。
「素敵・・・ですね・・・」
それは
桜とかタンポポとかいろんな花が刺繍された和テイストのハンカチだった。
それを見たときのマリーはものすごく美しくて。
俊也は危うく買い物袋を落としそうになった。
一つ咳払いをして俊也は言う。
「安物だけどよ、・・・2年前から思ってた。」
そのハンカチを愛おしそうに見つめて。
マリーはわけがわからなくて目を点にした。
「・・・え?」
俊也はちょっと拗ねたように顔をしかめる。
「お前に」