初恋は不思議な国で
その時だった。
後ろからすっとんきょうな声が聞こえたのは。
「おい・・・
お前・・・何やってんだ・・・?」
それは俊也だ。
セリアはニコっと微笑んで言う。
「あぁ、俊也!
私今、掃除を行っていたんです」
俊也はセリアの手からほうきをとりあげる。
「す・る・な!!
迷惑だ!!
とっとと帰れ!」
セリアはこのぐらいではあきらめません。
「嫌です!
私は、私は・・・
・・・お父様に、会わないと・・・ッ」
その最後の心のこもった声に、さすがに俊也も黙りました。
まぁ、うまくコントロールされてる気もしますが。
でもセリアのそれは無意識なのです。
だから余計たちが悪い?
まぁ、みなさんがそう言うならそうなのでしょう。
とにかく、俊也はさっきより優しめにセリアに声をかけました。