初恋は不思議な国で
「だから、いぃッつーの・・・
さわんじゃねぇよ!!」
セリアは全くそんなことを聞いていません。
「俊也、これは何ですか?」
そう言って鉛筆を指さす。
俊也はため息をつきながら言う。
「それは鉛筆って言うの!
ほら、見ろ。
文字が書けるだろ?」
そう言って近くにあった再生紙にさらさらと波線を描く俊也。
セリアはそれを見て目をまん丸にする。
「わぁ・・・!
世の中にはまだまだ不思議なものがあるのですね!!」
俊也は半分、呆れていた。
(こいつは、本当にどっかの姫さんなのか?
とてもそうは見えないけど・・・)
俊也はしぶしぶ声を荒げる。
「あぁ、そうだ。
これが鉛筆だ。
だからもうこれで遊んでろっつーの・・・」
するとセリアは思い出したように笑った。