初恋は不思議な国で
俺はそのハンカチに伸ばしていた手を、引っ込めた。
(そうだ、俺は一人なんだ・・・・・・・・・・・・・
セリア、という女がいることが異常なんだ。
俺が考えることじゃないんだ。)
俺はそう自分に言い聞かせて会計に向かう。
店員はにこにこと愛想のいい顔で言う。
「えーと、じゃあ120000ですねー。
え!?いち、じゅう・・・
・・・あ、120000円のお買い上げです・・・」
最後で言葉を詰まらせたのは、俺みたいなガキが120000なんかをサラっとだしたからだろう。
でもこれはそんなことをして手に入れた金じゃない。
親は、裕福だった。