初恋は不思議な国で
しかし王はそれを聞き届けなかった。
いや、聞き届ける余裕がなかったのだ。
「いいから黙って言うことを聞きなさい!」
そう言ってセリアを脱出用パラシュートにのせる。
「ちょっと待って、お父様ッ!!
どうして私だけなの?」
セリアは目に涙を浮かべる。
「セリア・・・
生きろ、絶対に、生きるんだ!」
それが、王の最後の言葉だった。
気がつくと私は、どこか異国の地に倒れこんでいたのだ。