初恋は不思議な国で
「・・・じゃあ、何だ?
今回のことも、お前・・・じゃなくてセリアを殺すための罠だったのか!?」
セリアは微笑みすらしなかった。
微笑めなかったのだ。
「・・・そう、でしょうね・・・・・・・
王は良き王でしたから・・・反感も買いやすいのです」
俺はセリアの手をとった。
「・・・ざけんなっ!!!!!!!!!!!
ふざけんじゃねぇよ!!」
セリアは涙をふくと、いつも通りきれいな笑顔を浮かべた。
「ありがとう、俊也・・・
でもあなたの過去に比べれば、大したことはないです。
私はいいものを着て、食べて、素敵な家族を得て、
幸せでしたから」
セリアがそこまで言った時だった。
俊也はセリアを抱きしめた。
優しく、でも力強く。
「笑うな!
もう・・・笑うな。」
セリアは一瞬戸惑って、それから微笑んだ。