初恋は不思議な国で
「誰が・・・捨てるかよ!!」
俺は目を覚ました。
立ち上がると。
痛い。辛い。苦しい。怖い。
いろんな気持ちと、体の痛みがこだまして耳をつんざいた。
すぅ・・・
息をすった。
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
叫ぶ。全身の細胞を黙らせるために。
怖がるな、臆するな!
「アイツは・・・俺よりもっと痛かった!!」
体にそう言い聞かせる。
セリアは。アイツは。
自分が捨てられる存在であることを知ってて。
知ってて、無理して。
笑って。
自分の国をほめて。
「馬鹿野郎・・・!」
俺はそう一言つぶやくと、町へと走り出した。