初恋は不思議な国で
王は
泣いた。
「何故・・・だ。
何故、少年。お前はそんなにも人を信じられるのだ・・・」
俺は槍の中から無理やり這い出た。
手とか足とかちょっとかすって痛かったけど今は気にならねぇ。
「わかんねぇのかよ!!
お前の娘の替え玉・・・?
・・・っざけんじゃねぇ!!!!」
時計台まで声は全部聞こえていて。
セリアは泣いていた。
「俊也・・・」
「・・・・・・。」
そんなセリアを見てか、セリアを押さえていた部下はその手を離した。
「・・・え?」
セリアは驚く。
部下は笑った。
「行きなさい。彼には君が必要だ」
「ありがとう・・・ございます・・・!!」
セリアは泣きながらもとびきりの笑顔でそう言ったのだった。
セリアが行った後、部下はつぶやいた。
「・・・似ているな。
やっぱり彼女はあの人の娘だ」
ちょっと涙目で部下は目頭を押さえたのだった。