初恋は不思議な国で
俊也は笑って言った。
「・・・セリア!」
「しゅん・・・や!!」
セリアはもう涙を抑えきれなくて。
ぽろぽろと桃色の瞳から涙をこぼした。
そして。
俊也の胸に迷わず飛び込んだ。
「なんでっ・・・
なんであんな無茶するのですか・・・!
私、本当に俊也が死んじゃったらどうしようかって・・・!」
そう言うセリアを、俺はただ撫でて。
「・・・でも、大丈夫だっただろ?」
笑ってセリアを持ち上げてやった。
「きゃっ・・・?
俊也!?」
俊也は王のほうを見据えて言った。
「こいつはもう、渡さねぇから。」
王は一瞬驚いた。
そして王の威厳を見せながら話した。
「セリア。」
「・・・はい、お父様」
セリアは緊張した顔つきで言った。
王は笑って、ただ一言。
「ここは、楽しいか?」
セリアの答えは。
決まっているだろう。