初恋はレンタル彼氏
「うん…」


私が靴を脱ぐと、玲は血だらけの膝にゆっくりと水をかけてくれた。



うぅ、しみる~

こんなケガしたの小学生以来だから、子供の時のことを思い出すよ、。




「…しみる?」

「ん…ちょっとね」


玲は痛々しそうに、私の膝の傷口を見た。



「はい、できた。あとは腕か」

「うん、腕は自分で洗うね」


水道の水を出し、腕の傷口を洗う。



「なあ…」

「ん?」

「誰にやられた?」

「え…」


低いトーンで言う玲。

顔を見上げると、玲は少し怖い顔をしていた。




「玲…?」

「誰かにやられたんだろ?」

「え、わかんない…でも誰かに押されたみたいな感じが…」

「それ誰かわかる?」

「いや、でも…私の勘違いかもだし…」


腕の傷口を洗い終えた私は、水道の水を止めた。

玲はそれ以上なにも言わなかった。






『続いては…2年生女子による棒引きです』




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