初恋はレンタル彼氏
そのホースは私の頬に当たり、まだ水が出た状態で下に落ちた。




「裏切り者…」


愛梨はそう捨て台詞を吐いて、裏庭から出ていった。



私はなにも言えず、その場に呆然に立ち尽くしている・・・




タンッ


「ハァ…」





すると裏庭と学校の廊下に通じるドアから、玲が息を切らして走ってきた…

玲がここにいることに驚いたが…玲の顔を見た瞬間、何故か目から涙が溢れてきた…




「う…」


そんな私を見て、玲が私に駆け寄る。

水をかけられびしょびしょになっている私を、玲は思いっきり抱き締めた…


そして、

「だから一人になるなって言ったのに…」と、

ぽつりとそう言った…












キィ

キィ…


ゆっくりと景色が進む。

私は目を真っ赤に腫らしながら、玲が漕ぐ自転車の後ろに乗っていた。
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