初恋はレンタル彼氏
「いい加減めんどくさくて、俺は電話にでなくなった。電話がきてもシカトするようになった…そしたらある日・・」

「…?」


玲は眉をしかめて、こわい顔をした。





「家に帰ってきたら…俺の部屋の配置がなんか変わったらような感じがした日があったんだ。姉貴も真も、俺の部屋に入ったり掃除したりしないから…俺は不信に思った…」

「まさか…」

「そう。朝比奈が俺のいない隙に、俺の家に入って物色していたらしい…」




なにそれ…




「俺はすぐに朝比奈に電話した。朝比奈はしらばっくれていたけど、多分あいつが俺んちに侵入したのは間違いない。」

「…なんで?」


玲のこの口調だと、なにか確証がありそうだけど…






「前に…お前と映画に行ったことがあったよな?」

「ああ、うん…」

「前の夜に、電話で話してたら、ノリで決まったやつ」

「そうそう」



電話で映画の話してたら、映画が観たくなって…

次の日学校休みだし、行こうってなったんだよね…





「あの映画に行った日…ずっと俺らのことを尾行してた男がいたの気づいてた?」

「え、尾行!?」


そんなの知らない…



「その男は、この前のドーナツ屋にいた男。実は俺…あいつのこと知ってるんだ」
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