初恋はレンタル彼氏
もう怖すぎて言葉が出ない…





「それから朝比奈とは一切関わらなかった。あいつから電話が来ることもなかったし…学校も休んでたしな、あいつ」


ああ、そうだったね。

体育祭の練習が始まってから、愛梨学校に来てなかったよね…





「このままなんもなければいいなって思ってたけど・・体育祭の日…お前ケガしただろ?」

「…うん」

「あれも多分朝比奈の仕業だよ。それは確証ないけど」





まだ治っていない手足のきずぐちが、ズキズキと痛んだ…




「だから俺は、お前に一人になるなって言ったんだ。朝比奈…あいつはなにすっかわかんねえから・・」

「・・・・」


そっか…

必要以上に玲が私を心配するのは、ちゃんとした理由があったんだ…





「朝比奈のことは、ずっとお前に言おうと思ったよ。でももしかしたら、あいつがどこかで聞いている気がして言えなかったんだ…」

「玲…」


そうだよね。

盗聴器見ちゃったらそうなるよね。




「これが真実。さっきも言ったけど、朝比奈のバイトを放棄したあの日から、朝比奈とはしゃべってないから…あいつが今なにを考えてんのかはわからない」

「そう…」


足が震える…

こわい…
< 166 / 375 >

この作品をシェア

pagetop