初恋はレンタル彼氏
「ふふ。大丈夫ですよ」


ネイルしてもらえるだけでラッキーだもんね。

私、自分以外の人にネイルしてもらうの初めてだよ♪




「練習したいのは、このデザインなんだけど…」


ネイルの参考書のようなものを、私に見せてくる優さん。



「かわいい」

「でしょ?♪デザイン指定しちゃってごめんね」

「いいですよ、全然!」

「色は莉緒ちゃんが決めていいからね♪」

「はい!じゃあ…ピンクで」

「ピンクね。OK★」


優さんはそう言って爪やすりで、私の爪の先端をヤスリで削り始めた。





「優さん、将来はネイル関係の仕事したいんですか?」

「うーん…そうゆうわけじゃないけど・・とりあえず資格だけは欲しいなって程度かな、まだ。女だし、ネイルの資格持ってれば困らないしねえ」

「あ、なるほど」

「うちは、私以外の姉弟はみんな男でしょ?練習になってくれる人がいなくてさ~」

「そうですよね…」


お母さんは海外に行っちゃってるから…

家で、優さんだけが女なんだ。




「玲にさ『一回だけ練習させて!』って頼んだら、即答で『無理』って言われたの!すぐとればいい話なのにさ~あいつ本当意地悪だよねっ」

「あはは」


玲と優さんの、そのやり取りの会話が目に浮かぶ。




「ってゆうかさ~…玲とケンカでもした?」
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