初恋はレンタル彼氏
「なに…?どうして?」


愛梨はその光景を見て、訳がわからない様子。

私も今は、愛梨と同じ気持ちだった。




「その汚ねえ手、離せ」




玲が、私の胸ぐらを掴んでいる愛梨の手を掴み、強くはらった。




「莉緒大丈夫!?」


未夢が私に近づいてくる。

私は未夢に返事も出来ない程、頭の中が混乱してしまっていた。





「なによ、あんたたち…裏切ったの…?」


愛梨は、クラスメイト全員に囲まれた状態。

横には担任が、厳しい目で愛梨を監視していた。






「裏切るもなにも…最初から、お前の見方なんて誰もいねえんだよ」

「…!なんですって!?」



玲の言葉に、愛梨は目を見開いて驚いている。




「だって…みんな私に協力するって言ったでしょ!?お金だった渡したし…」

「金?金ってこれ?」




玲は愛梨に、分厚い封筒を見せた。




「少し前に…お前はクラス全員に金渡しただろ?『高坂 莉緒を無視してくれ』って頼んで…」
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