初恋はレンタル彼氏


笑里ちゃんは、急に大声をあげた。






「うるさいうるさいうるさいうるさいっ!!!あんたのそういうとこが嫌いなのっ!私の気持ちなんて、わかってないくせにっ!いい子ぶってんじゃねーよ!心の中では笑ってるんでしょ!?私のこと、頭おかしいとか思ってんでしょ!?」

「お、思ってないよ…私は・・!」

「莉緒、もういいよ…」


玲が私の肩を叩いて止める。




「朝比奈さん…行きましょう」


担任の先生が、笑里ちゃんをお越し屋上から連れ出そうとした。

笑里ちゃんは魂が抜けたように、へなへなになりながらやっと立ち上がる。




「笑里ちゃん!」


先生と、屋上から出ていこうとする笑里ちゃんを呼び止める私。

笑里ちゃんはゆっくりとこっちを振り返った…


そして涙を一粒流したあと、先生に連れられて屋上から出ていった。

その瞬間、私の目からも大量の涙が溢れた。


玲や未夢たち…あとクラスメイトのみんなが、私を囲んで慰めてくれた。
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