千の夜をあなたと【完】
「レティ、……お前が好きだ」
その美しい瞳によぎる、焼けるような熱情。
レティは魅入られたようにライナスを見つめていた。
「どうしようもないくらい、……狂いそうなくらい、お前が好きだ」
「……っ、ライナス……」
「どんな女より、どんな宝より……おれはお前が欲しい。お前以外、おれはいらない」
ライナスの言葉がまっすぐにレティの心に入り込む。
それは灼熱のように、レティの心を溶かしていく。
……ライナスの想い。
レティの体を、ライナスが再び抱き寄せる。
レティはライナスの腕の中で、自分の心がライナスに引き寄せられるのを感じていた。