千の夜をあなたと【完】
その金の髪に汗をにじませ、背を仰け反らせる。
足は大きく広げられ、脚の間からは粘り気のある透明な液体があふれ出ている。
桃色に染まった頬、快楽の涙に滲む翠の瞳……。
……この姿を前に落ちない男などいるはずがない。
エスターはセレナの頬に手を伸ばし、口づけ、言った。
「……そろそろ、次の段階に入っても良さそうですね」
次の、段階……。
セレナは肩で息をしながらエスターを見た。
こんなにも気持ちいいのに、まだ知らない何かがあるというのだろうか?
ぼうっと見上げるセレナに、エスターは色を帯びた声で言った。
「セレナ。……次の段階に入るには、少し苦痛を伴います」
「……苦痛?」
「けれどそれは、初めだけです。それを通り越してしまえば、苦しいことはありません」
エスターは優しく見つめながら言う。
セレナは茫洋とした頭でエスターをじっと見つめていた。