千の夜をあなたと【完】
6.行為の意味
<side.セレナ>
蝋燭の灯りに揺らめく、自身の影。
その細い腰は男の腕に抱かれ、柳のようにしなっている。
――――あれから、何度こうしたのか……
あの夜から、エスターは詩学や音楽などの指導の後、セレナに『指導』をするようになった。
セレナはエスターに言われた通りに、エスターの体の下でその細くたおやかな躰を開く。
息を弾ませ、潤んだ瞳で見上げるセレナに、エスターはいつも優しい口づけと優しい快楽を与えてくれる。
エスターは教えてくれているだけだ、とわかっていても……
快楽に引きずり込まれると、もっと、と思ってしまう。
自分はいつからこんなに貪欲になったのか……
こんな醜い心を、エスターにも……ケヴィンにも、知られたくない。
「色っぽい顔だ。女神すら貴女には敵わない……」
エスターは愛しげにセレナの髪を撫でながら言う。
……セレナの足の間で蠢く、熱い灼熱。
それは時折、抉るように体の奥深くを突き上げる。