千の夜をあなたと【完】




「あぁぁっ、はあっ……」


繋がった部分から卑猥な音が漏れる。

……溶けそうな躰。

エスターは執拗に、激しく、セレナの全てを奪っていく。


「大丈夫ですよ、貴女は私に身を任せていればいい。……他の男を受け入れようなどと、思えない体にしてあげますから」

「……エスター、さま……」

「あなたはやはり罪な人だ。私の心を縛り付け、弄ぶ。……でもそんなところも、私には限りなく愛おしい……」


低いバリトンの、甘い囁き。

甘い麝香の香り……。

セレナは茫洋とした意識の中、なすすべもなくエスターの腕に身を任せていた。



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