千の夜をあなたと【完】
何度、心から消そうとしても……
忘れられなかった面影。
「……う……そ……」
レティは掠れた声で呟いた。
あの頃より背は伸びて、今は何処からどう見ても青年だ。
顔つきも精悍さが増し、眼差しも雰囲気も大人っぽさを感じる。
けれど、黒い上衣と黒い脚衣は昔のままだ。
レティは驚きのあまり目を見開いた。
……まさか……
……どうして……
なぜ、イーヴがここにいるのか……。
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