千の夜をあなたと【完】
昔より大きくなった体。
昔はレティより頭半分ほど高いだけだったのに、今は頭二つ分ほど高い。
そして雰囲気もぐっと大人っぽくなった。
レティが変わったように……
イーヴもまた、変わったのだ。
離れていた間に……。
レティはぐっと唇を噛みしめた。
そんなレティにイーヴは目を見開いたまま、口を開く。
「……お前、生きていたのか」
「……」
「……どうして、ここにいる?」
イーヴはその青灰色の瞳でレティを見つめる。
まるで射抜くように。
レティはその瞳に心が軋むのを覚えた。
イーヴを前にすると、やはりどうしても心が引き寄せられてしまう。
レティはすっと視線をそらし、口を開いた。