千の夜をあなたと【完】

「今日はオーラフの伴で、ここに……」

「……どういうことだ?」

「あれから私、マン島に渡って……ずっと、そこで生活を……」


レティは片言の言葉で絞り出すように言った。

――――どう説明すればいいのかわからない。

あまりに長すぎて、どこからどう説明すればいいのかわからない。

混乱するレティにイーヴは一歩近づいた。


「マン島にいたのか? ……ずっと、一人で?」

「……」


イーヴの質問に。

レティはしばしの沈黙の後、首を振った。


「……いえ。ライナスと一緒に住んでいます……」

「……ライナス?」


レティの言葉を聞き、イーヴの顔が固まった。

そして、しばしの沈黙の後。