千の夜をあなたと【完】
「でもな、イーヴ。……オレはお前を信じたわけじゃない。お前には悪いが、今のオレは簡単に人を信用することができない」
「……」
「だが、あの男を殺るのは賛成だ。……あの男は父と叔父、そして従兄弟の仇だ。オレはそのためにここに来た」
「リュシアン……」
「それにあの男を殺せばレティも取り戻すことができる。……わかった、イーヴ。協力しよう」
リュシアンはイーヴの瞳を見据えながら、冷静な声で言った。
その声も雰囲気も、一年半前に比べてどことなく落ち着いている。
イーヴは頷き、リュシアンとともに策を練り始めた。
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