千の夜をあなたと【完】




リュシアンは剣の柄から手を離し、倒れゆくライナスを呆然と見つめている。

その手は血に濡れ、ぶるぶると震えている。


「これで……皆の、仇を……」


リュシアンはがくっとその場に膝をついた。

イーヴも目を見開いてその光景を見つめている。


レティはとっさにライナスに駆け寄った。


……まさか……


……うそ……



「ライナス――――!!」



レティの絶叫が、辺りに響く。

その後。


レティは自分の頭が真っ白になり、意識が遠のいていくのを感じた。



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