千の夜をあなたと【完】



「や、やだっ、やめて……っ」

「今更、子供の振りか? ……相変わらずどこか抜けてるな、お前は」


イーヴの手がレティの足の間に荒々しく触れる。

全く優しさの感じられないその手に、レティは喉を引き攣らせた。

逃げようとしても、イーヴの片手がレティの腰を掴んでいるため逃げられない。


イーヴはレティの中に突然、指を入れた。

――――とてつもない異物感。

レティは衝撃に体を強張らせた。

イーヴはもう片方の手で自分の上衣をはだけながら、レティの中を指で容赦なく抉る。

これまで体験したことのない痛みに、レティは涙目になった。


「や、やだ……っ、いた……っ」

「……相変わらずお前、泣き顔は格別だね……」

「イーヴ……っ!」

「ティンズベリーにお前がいた頃、……あんな生ぬるいことやってないで、お前を俺のものにしとけばよかった。そうすれば今頃、お前は……」


イーヴはレティを睨みつけながら手荒に指を動かす。

憎しみに染まる青い瞳に、一瞬切なげな影がよぎる。


レティは体の痛みとともに心の痛みも感じていた。

イーヴが自分に向ける憎しみが、刺すようにレティの全身を苛む。


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