千の夜をあなたと【完】
レティは最初抵抗しようとしたが、イーヴが何度も口づけると諦めたように力を抜いた。
イーヴは貪るようにレティの唇に口づけた。
……その甘さに、酔いそうになる。
レティは口づけを受けながら、ぼうっとした瞳でイーヴを見つめる。
イーヴはたまらなくなり、レティの腰をぐいと引き寄せた。
「愛してる……」
イーヴの囁きにレティは目を見開いた。
信じられない、とでもいうかのように。
イーヴは自分の心をぶつけるように、レティの背を抱きしめ、叫んだ。
「愛してる! ……何度でも言う、俺はお前を愛してる!」
「……イーヴ……」
「初めて会った時から、ずっとお前を忘れられなかった! お前と離れていた間もずっと! ……俺には、お前だけだ……っ」
愛しさが炎のようにイーヴの心の中で燃え上がる。
もう絶対にレティを離さない……。
呆然とするレティを、イーヴは力の限り抱きしめた……。
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