千の夜をあなたと【完】



イーヴは何度もキスを落としながら、ゆっくりとレティの体を開いていく。

……全身に与えられる、優しい愛撫。

痛めた部分をイーヴの手が優しく撫で、解していく。

レティがあえかな声を上げると、イーヴは嬉しそうに目を細めてレティを見た。


「……泣き顔よりそそられるね。お前の、その顔……」


イーヴの手がどんどんレティの弱い部分を刺激していく。

レティは体の奥からじわりと熱いものが溢れるのを感じた。

……初めての快感。

イーヴの体から漂う甘い香りがレティの体を溶かしていく。


記憶の中の、優しい青灰色の瞳……。

ずっと心に残っていた、どうしても忘れられなかった、愛しい瞳……。


その瞳はこれまでにない強い愛情と色を帯びて、じっとレティを見つめる。

レティはその瞳に、心も魂も、全てが引き込まれるような気がした。


もう二人の道は分かれたのだと、想いを寄せてはならないと……

そう、わかっていても……。

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