千の夜をあなたと【完】
喘ぐレティを見下ろし、イーヴはくすりと笑う。
その凄艶な目にレティは息を飲んだ。
目を奪われずにはいられない、その美しい瞳……。
「もう離さないよ、レティ。俺は二度とお前を離さない。一生逃がしてなんてやらない」
「……イーヴ……」
「お前が好きだ。――――俺には昔からお前しか見えない。お前がいなければ、俺の人生には何の意味もない」
言葉とともにイーヴの唇が何度もレティの唇に押し当てられる。
その唇から伝わる熱にイーヴの情熱を感じ、レティは心を震わせた。
イーヴの情熱がレティの心を焼き、熱く溶かしていく。
「お前も俺と同じくらい、狂わせてやるよ。……さ、もっと足を開きなよ、レティ?」
イーヴの言葉とともに、レティはさらに激しい快楽の波に押し流された。
全てを忘れてしまいそうな、嵐のような快楽。
レティは与えられる快楽に耐えられなくなり、喘ぎを漏らした。
そして気を失う瞬間……。
『全て忘れるんだ。あの男のことも、これまでのことも。……俺のこと以外、何も考えられないようにしてやるよ。この先一生、ね……』
イーヴの熱のこもった囁きを、聞いた気がした……。