千の夜をあなたと【完】
混乱し頭を抱えたレティを、イーヴの腕がそっと抱き起す。
イーヴはレティを抱き起すと、サイドテーブルに置いてあった木の椀を手に取った。
スプーンでその中身をすくい、レティの口元に持っていく。
レティはうっすらと目を開け、椀を見た。
「……っ!」
見覚えのある緑色のスープがその中に入っている。
――――忘れもしない、この色。
思わずひぃっと内心で叫んだレティに、イーヴは言った。
「まずはこれを飲んで。お前、昨日から何にも食べてないだろ?」
「……っ」
「大丈夫、あれから少し改良したから。トカゲの尻尾も蝙蝠の粉末も入れてないから、そんなに不味くないはずだよ」
その言葉にレティは青ざめた。
……というか以前のスープには一体何が入ってたのか。
イヤだ、絶対に口にしたくない。
思ったレティの口をイーヴは無理やりこじ開け、スプーンを突っ込む。
「……っ!」