千の夜をあなたと【完】
――――昨日の夜。
イーヴはレティを抱きしめながら、耳元で囁いた。
『あと4、5日したらグロスターに向かう。お前も連れていくつもりだ』
『え……ええっ!?』
『言っとくけど、お前に選択権はないから。わかった?』
イーヴは言い、レティを胸の中に抱き込んだ。
相変わらず強引だ。
その後、イーヴが与える快楽に体を溶かされ、後のことはあまり覚えていない。
しかし……。
グロスターに行くと言っても、行った後どうするのだろうか?
グロスターにはイーヴの奥さんもいるし、冬には子供が生まれると聞いている。
そんなところに自分が入り込んだらどうなるのだろうか。
「……」