千の夜をあなたと【完】
翌日の昼。
レティは痛む腰をさすりながらゆっくりとベッドから起き上がった。
既にイーヴはどこかに出かけているらしく、部屋にはいない。
「……いたたた……」
昨日のイーヴの言葉通り、レティは昨夜ほとんど寝ることはできなかった。
甘い香りに包まれて、絶え間なく快楽を与えられ、何度も白い世界に飛ばされて……。
睡魔に身を任せようとすると、イーヴの腕がレティを再び快楽に引きずり込む。
『寝かせないって言っただろ? 残念だったね』
『イーヴ……っ』
レティがいくら喘いでも、叫んでも、イーヴの動きは止まらない。
夜半過ぎ、ぐたっとしたところで、イーヴはくすりと笑って言った。
『……寝たいの? レティ』
『…………』
『じゃあ、ひとつ条件を出してあげるよ。……『愛してる』って言ったら、寝かせてあげる』
イーヴの言葉にレティは息を飲んだ。
ぼうっとした頭でじっとイーヴを見つめる。