千の夜をあなたと【完】





レティは書簡を閉じ、目を瞑った。


自分はこれから、どうすればいいのか……。


自分はイーヴの正妻にはなれない。

なっても妾か、愛人か……。

たとえ子供を産んだとしても、その子は非嫡出子となる。


それに、他の女とイーヴを共有するなど……

そんなことは、とても耐えられない。

今は耐えることができても、いつかきっと暴発してしまう。

イーヴがそんな自分をどう思うか、それを考えると胸が張り裂けそうになる。


こんな気持ちを抱えて、一生イーヴの傍で過ごすなど……

きっと無理だ。

……狂ってしまう。



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