千の夜をあなたと【完】



――――そんなことは、許さない。



レティがそのつもりなら、もう自分は容赦しない。

もうレティを自由にはさせない。

二度と離れないように、その心と体に枷を嵌めて永遠に自分の傍に置いていく。


イーヴはとっさに辺りを見回した。

レティはどこに行ったのか。


と、その時。


キィという音を立ててドアが開いた。

その向こうに姿を見せたのは……。


「……イーヴ……」


レティが青ざめた顔でその場に立ち尽くしている。

イーヴは昏い衝動がまっすぐにレティに向かうのを止めることができなかった。



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