千の夜をあなたと【完】
「だって、……好きだから……っ」
「……っ」
「好きだから、……どうすればいいのか、わからなくて……っ」
言葉とともに涙が零れ落ちる。
涙がイーヴの胸を濡らしていく。
イーヴはやがてゆっくりと体を起こした。
指先でレティの涙を拭い、少し笑う。
「選択肢の数は変わらない。お前には二つのうちどちらかを選んでもらう」
「……っ……」
「でもその前に、全てを話すよ。……妻のことも子供のことも、養子のことも、ね」