千の夜をあなたと【完】





「体に合わない剣を使うとろくなことがない。……もう言っても遅いか」

「……き、きき、きさま……っ」

「さて、残り二振だな。さっさと終わらせるとするか」


ライナスの声とともに、短剣がモルガンを襲う。

……何が起こったのか、モルガンにはわからなかった。

気付いた時には、自分の喉元にライナスの短剣が突き立っていた。

どうと地面に仰向けに倒れたモルガンの耳に、ライナスのため息交じりの声が聞こえた。


「……五振で充分だったか。一振余分だったな。おれもまだまだだな」


それが、モルガンがこの世で聞いた最後の声となった……。



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